2024/07/12 (金)
さて「子ども主体のお泊まり保育」といえど、やはり先生たちの中にも「せっかくのお泊まり保育、子どもたちに普段はできないような体験をさせてあげたい」という気持ちがもちろんあります。担任の先生たちは普段から一番近くで生活を共にしているため「今の子どもたち」が何を楽しんでいるのか、どんなことに興味があるのかが見えていました。
今年はやはり「影」の遊び。誕生日会で職員の出し物として大人が影絵をやってみたけど、やっぱり「本物」に触れる機会をつくってあげたい。そんな思いがありました。
お泊まり保育まで子どもたちもたくさんいろいろなことを話し合って相談してきましたが、それは先生たちも同じです。
ある日の職員会議、担任からお泊まり保育の中でプロの影絵集団の方をお呼びして子どもたちに影絵の観劇を行うのはどうだろうかと相談がありました。
「いいね〜!」と賛成の声が上がりつつも一方で「本物を”今”見せることはベストなタイミングなのか」「同じものを同時に見るというのはイメージの共有がしやすいので、今後の遊びに生きるのでは」「ほし組だけでなく全クラスの子どもに見せてあげたい」「でもお泊まりなのだから、やっぱりほし組の子どもだけっていうのが特別感があって良い」などなど、みんなで子どもたちにとっての「最善は何なのか」を悩み、熱く語り合いました。でもたくさん悩んだ結果やはりプロの影絵劇団の方を呼ぼう!ということに。
いくつかの候補を出して連絡を取ってみますが、タイミングが合わなかったり、出張はやっていなかったり、条件が合わなかったり。
先生総出で探している中、劇団「かしの樹」というプロの影絵集団を見つけました。
藁にもすがる思いで電話してみると、なんと二つ返事でOK!
本拠地の春日部から、遠路はるばる大町まできて出張公演をしてくださることに。
そしてこの影絵劇団「かしの樹」さん、全国の幼稚園や小学校などで公演をされているプロ中のプロの劇団さんだったのです。
そんなすごい方達が来てくださることになり、子どもたちはもちろん、先生たち大人も大喜び。
子どもたちに「本物」を見せられることをとても楽しみにしていました。
そして迎えたお泊まり保育の日。子どもたちが体育館に遊びに出かけた頃、かしの樹さんがご来園し、遊戯室に舞台を設営したり、準備を進めてくださっていました。
夕飯の下ごしらえを終えた子どもたちが遊戯室に入ると、そこはいつもの遊戯室ではありません。「かしのき」と書かれた大きな舞台があり、すっかり影絵劇場になっていたのです。
子どもたちの目はキラキラに輝いていました。
公演が始まると、どの子も釘付けになって見ています。楽しい音楽や歌に合わせて、影絵の人形が本当にそこに生きているかのように動くのです。
子どもも大人もすっかり夢中になってあっという間の公演でした。
公演が終わると、子どもたちから「自分たちもいつもやっている影絵の劇ごっこを見せたい!」と提案があり、かしの樹の劇団員の方に見ていただくことに。
劇団員の方の温かい眼差しや、時折拍手してくださる姿に子どもたちもなんとも嬉しそうな表情でした。そして最後はなんと、かしの樹さんの影絵のお人形を触らせてもらい、実際に舞台の裏側で人形を動かしてみる体験もさせていただき、子どもたちは本当に嬉しそう。この上ない貴重な体験をさせていただき、一人ひとり「ありがとう」の気持ちをお伝えしました!
劇団「かしの樹」の皆さま、遠い大町まで来てくださり、素晴らしい時間を本当にありがとうございました。ぜひまたこのような機会ができましたら嬉しいです!